バイデン氏がプーチン氏を激しく非難 直後に米当局者が軌道修正

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ワルシャワ=高野遼 ワシントン=園田耕司
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 バイデン米大統領は26日、訪問先のポーランドの首都ワルシャワで演説した。ウクライナに侵攻したロシアへの対抗について、民主主義と専制主義との戦いと位置づけ、「数日や数カ月では勝てない長い戦いになる」と各国に結束を呼びかけた。プーチン大統領を独裁者だと痛烈に批判し、「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」と演説を結んだ。

 演説は1千人近い聴衆が集まったワルシャワ王宮で開かれた。侵攻開始以来、初めてとなるバイデン氏の欧州訪問を締めくくり、米国としての立場を明確に示す節目となるものだった。

 バイデン氏は「帝国の再建を決意している独裁者であっても、人々の自由に対する愛を消し去ることは決してできない。ウクライナはロシアに絶対に敗北しない」と強調した。

 演説最終盤にバイデン氏は、プーチン氏について「権力の座にとどまり続けてはいけない」と訴えた。米政権がプーチン政権の体制転換を目指しているとも受け取られかねず、発言は波紋を呼んだ。米政府高官は直後に声明を発表し、「バイデン氏の論点は、『プーチン氏は彼の隣国や地域で権力を行使することは許されていない』という点だった。バイデン氏は、プーチン氏のロシア国内での権力や体制転換について話したわけではない」と軌道修正を図った。複数の米メディアによると、この発言は事前に用意されていた演説原稿にはなかったという。

 ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロイター通信の取材に「(プーチン氏の去就は)バイデン氏が決めることではない。ロシア大統領はロシア人によって選ばれる」と反発した。ロシア側はかねて欧米からの脅威を受けていると強調しており、発言が侵攻の正当化などに使われる恐れもある。

 バイデン氏は同日、演説に先…

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この記事を書いた人
高野遼
アメリカ総局
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園田耕司
政治部次長|政権担当
専門・関心分野
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