有明海ノリ色落ち深刻 佐賀西南部 「光見えない」漁師休業・廃業へ

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長沢幹城
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 日本一の養殖ノリ産地・有明海で近年、ノリの色が薄くなる「色落ち」の被害が佐賀県の西南部に広がり、深刻化している。生育に必要な「栄養塩」が海中に不足していることが主な原因とみられ、地元漁協支所の販売実績は過去最低となる見通しだ。廃業を決めた漁師もいる。

 養殖ノリの漁期は10月~翌3月。芽のついた網を2回に分けて張り、それぞれ収穫する。だが今季は、西南部の鹿島市や太良、白石両町などの漁場で色落ちが発生。ほとんどの漁師が2月末までに操業を終えた。

 太良町のノリ漁師、陣竹隆司さん(46)も色落ち被害を受けて収穫をあきらめ、1月中旬から網を引き揚げた。被害は2季連続。それでも船や網のメンテナンスには年間約800万円かかる。前季は200万円の赤字。今季は700万円ほどにまで膨らみそうだ。中学2年の長男は一緒にノリ漁師をしたいと言ってくれるが、「厳しかぞ」と声をかけたという。「本当にうれしいことだが、子どもに勧められる状態じゃない」

 県有明海漁協は前季まで販売枚数・額ともに18年連続の日本一を誇るが、枚数で16%(5年間平均)を占める西南部の漁協5支所ではこの2年間、下降線をたどっている。

 今季の販売枚数は鹿島市支所…

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