SWIFT排除の威力は? 欧米の制裁受けるイランは「もはや慣れ」

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テヘラン=飯島健太
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 ウクライナ侵攻を受け、米欧による対ロシア制裁の行方が焦点になっている。注目されているのが、ロシアの金融機関を国際銀行間通信協会(SWIFT=スイフト)から排除する案だ。西側諸国の間でも慎重論が根強いが、「切り札」として、どれほどの威力を持つのか。現在も排除されているイランから報告する。

 スイフトは各国の銀行が、米ドル建てを含む国際送金で利用する仕組みを運営する。公式ページによると、1973年にベルギーで設立され、200以上の国・地域の銀行や証券会社など約1万1千社が利用している。

 決済情報を監視せず、「中立」をうたう一方で、国や国際機関が制裁を決めると、それに従って対象の金融機関を「排除」するという。

 スイフトから排除されると、商品を輸出しても外国から代金を受け取ることが極めて困難になり、経済活動に大きな支障が生じる。

 その前例がある。私が特派員として暮らすイランだ。

 2012年3月、欧州連合(…

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この記事を書いた人
飯島健太
西部報道センター
専門・関心分野
イランを中心とした中東政治、国際政治、核問題、事件、災害
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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2022年2月27日16時13分 投稿
    【視点】

    経済制裁について米国で研究でもっとも前向きに評価した分析でも「制裁が譲歩のつながるのはせいぜい3分の1から2分の1程度」(ダニエル・ドレズナー・タフツ大学教授)という指摘があります。フォーリンアフェアーズ誌に寄稿したドレズナー教授の言い方を

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