「もう時間ですから」 質問を打ち切った黒田総裁会見に見る末期症状

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編集委員・原真人
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 「敗軍の将は兵を語らず」というのが古書の教えだ。もし語ったらどうなるか。言い訳、開き直り、無視――。そんな言葉が頭をよぎった。

 日本銀行が現在の超金融緩和を当面続けることを決定した18日、黒田東彦総裁が定例記者会見に臨んだ。総裁にとって説明が苦しい局面での会見である。本人も厳しい質問には答えたくないという心持ちのように見えた。およそ公的機関を率いるトップにはふさわしくない対応が目に付く会見だった。

 黒田総裁がいまどのような局面に対しているか。

 第一に、9年前に「2年で実現する」と豪語した2%インフレ目標がいまだ一度も実現していない。総裁任期の来春までに実現する可能性もまったくない。

 第二に、日銀の金融政策は異…

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