週3日1時間の練習で「花園8強行ける」静岡発、サステナブルな挑戦
ラグビーの第101回全国高校大会が27日、大阪・花園ラグビー場で開幕する。
「練習時間が短いから」
「練習の日数も限られているから」
そんな言い訳はしない。
制約のなかでの挑戦を魅力に変えているチームが7回目の花園に挑む。
静岡聖光学院は近年、力を伸ばす新鋭校だ。
2009年度、全国高校大会に初出場した。9チームで争った今秋の静岡県予選も制し、7回目の出場を決めた。現在、出場4大会連続で初戦を突破している。
「猛練習」で鍛え抜いたわけではない。
練習は、火曜、木曜、土曜の週3日だけ。練習時間は1日1時間半だ。日没が早い11~1月はさらに短くなり、1時間だ。
1972年の高校創立以来の伝統で、練習日数、時間は「部活動についての活動規程」で定められている。
ゆえに練習では1分を惜しむ。
14日の練習は午後4時に始まった。
ウォーミングアップ後、部員たちはグラウンド脇に設置されたテレビの前に集まり、1回戦を突破すれば当たるシード校・佐賀工のプレー映像を見た。
「試合の導入で佐賀工の選手は体をぶつけてくる。まず、そこで引かないところを見せないといけない。今日はコンタクトの練習をするけど、引かないこと」
奥村祥平監督(40)が手短に解説し、これからの練習の意味合いを伝えた。
映像を利用するのは、「言葉より映像の方が頭ですぐイメージできるから」(奥村監督)だ。
1時間、部員は白い息を吐きながら常に動き続け、この日の練習を終えた。
昼休みから準備は始まっている。部員は昼食後、教室に集まり、その日の練習メニューと注意点の確認を済ませておく。
「姿勢を低く」「ボールを片手で持たない」など、その時々の課題も共有しておく。
もともとラグビー部は強豪ではなかった。部員12人とチームも組めなかった07年、現在の星野明宏校長(48)が赴任し、監督に就いた。これが転機になった。
星野校長は教員に転じる前、大手広告会社に勤めていた。
「会社員時代にも、予算や時…