「不急」に傾いた石破首相、バラバラの野党 宙に浮く選択的夫婦別姓

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笹山大志 川辺真改 南有紀 宮脇稜平
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 選択的夫婦別姓の導入をめぐる国会の結論が、またも先送りされる。参院選を前に、党を二分しかねない判断を避けた自民党と、理解を示した公明党。独自案を示したものの、足並みがそろわぬ野党。いずれも決定力を欠き、課題は宙に浮いたままだ。

 石破茂首相は昨秋の自民党総裁選以降、「結論を先延ばしにしていい話ではない」と繰り返し、今年1月の国会答弁では「議論の頻度を上げ解を見いだすことは、責任政党である以上、当然のことだ」と言い切った。それでも、自民の党内議論が結論に向かうことはなかった。

 5月8日午後、国会内の自民控室。森山裕幹事長、小野寺五典政調会長ら党執行部と、夫婦別姓のあり方を議論してきたワーキングチーム(WT)の逢沢一郎座長らが集まった。4月末に立憲民主党が別姓制度を導入する法案を提出しており、自民としての対応を協議する場だった。

分断避けたい自民 選んだ「動かず」

 「ただ反対するだけではつらい状況になる」。出席者の一人が、旧姓の通称使用拡大を認める独自案を提出すべきだと主張。WT幹部内では、旧姓併記ではなく単記でも使えるようにする法案も準備していた。

 だが、党内には別姓制度の推…

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この記事を書いた人
川辺真改
政治部|自民党担当
専門・関心分野
国内政治、社会福祉、スポーツ
選択的夫婦別姓

選択的夫婦別姓

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