南アフリカと英国で最多の新規感染者 オミクロン株拡大
ロンドン=金成隆一 ヨハネスブルク=遠藤雄司
新型コロナウイルスのオミクロン株を最初に報告した南アフリカと、同株の感染拡大が続く英国で15日、新型コロナの1日あたりの新規感染者が最多となった。南アは2万6976人で陽性率も32・2%と高く、英国でも7万8610人を記録した。両国とも、ワクチンの新規接種や追加接種(ブースター)を国民に呼びかけている。
すでにほとんどの感染がオミクロン株に置き換わったとみられる南アの保健当局は16日、現在の感染急増の勢いは過去の例よりも速いものの、入院率や死者が比較的少ないと指摘。パーツァ保健相は、多くの人が帰省するクリスマス休暇を前に「家族や友人を守るために、すべての旅行者にワクチン接種を呼びかける」とした。
ロンドンでも新規感染に占める割合は13日発表で44%だったが、15日に6割に達した。英国のウィッティー首席医学顧問は15日の記者会見で新規感染者数について、「これから数週間は記録が何度も更新されると現実的に考えねばならない」と危機感をあらわにした。英国では、既存のデルタ株と新たなオミクロン株の「二つの流行」が重なっており、「デルタ株の流行はほぼ横ばい。その上でオミクロン株が急速に増えている」との認識を示した。