「幻の特攻基地」鹿児島・万世飛行場 連合国の空撮もとに解説資料
町田正聡
太平洋戦争末期に建設され、特攻作戦に使われた「万世(ばんせい)陸軍飛行場」(現南さつま市)は、短期間しか使われなかったため「幻の特攻基地」とも呼ばれる。同飛行場について調べている地元の歴史研究者、橋口亘さん(45)が、連合国側が残した空撮写真をもとに、写真に記された英文説明を和訳した解説資料を作成した。橋口さんによると、飛行場が空襲で大きな打撃を受ける前の様子が分かる貴重な写真で、「連合国の情報収集能力の高さもよくわかる」と話す。
万世飛行場は、旧日本陸軍の特攻部隊の基地として1944年に建設。45年春から4カ月の間に特攻作戦などで出撃した201人が戦死した。
橋口さんによると、写真は連合国側が45年3月18日に飛行場とその周辺を撮影した複数枚の航空写真を合成(モザイク接合)して作られたもの。連合国軍地誌部がまとめた地勢研究資料に収録されている。オーストラリアのモナシュ大学が保管し、WEBで公開している。
飛行場は写真が撮影されて間もない同月29日に激しい空襲を受け、兵舎などが破壊された。
「急峻な砂壁」「砂丘」・・・書き込まれた情報
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