関航太郎七段、プロ入り最速メジャー制覇 一力遼を破り天元に

大出公二
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 第47期囲碁天元戦五番勝負(新聞三社連合主催)の第4局が6日、兵庫県洲本市で打たれ、国内メジャータイトル初挑戦の関航太郎七段(20)が一力遼天元(24)に199手で黒番中押し勝ちし、シリーズ3勝1敗でタイトルを奪取した。プロ入り4年8カ月でのメジャー制覇は史上最速。今年二冠でスタートした一力は無冠に転落した。

 現在四冠の第一人者、井山裕太名人(32)とのタイトル戦を重ね、打倒井山の一番手と目される一力に対し、シリーズを通して内容的にも圧倒。戦前の下馬評を覆す下克上をやってのけた。

 天元は国内七つのメジャータイトルの一つ。プロ入り4年8カ月、20歳0カ月でのメジャー制覇は、プロ入り最速に加え、一昨年に19歳11カ月で名人になった芝野虎丸王座(22)に次ぐ年少記録となる。規定により、7日付で八段に昇段する。

 2017年にプロ入りした関は、人間の棋力をはるかに超越した囲碁AI(人工知能)の手法を先駆的に研究し、「AIソムリエ」と呼ばれる。昨年の新人王獲得、今回の天元獲得と長足の進歩を遂げ、一気に「ポスト井山」の覇権争いに加わった。

 一力は過去9回の七大タイトル戦で、8回に及ぶ井山戦などすべて先達に挑んできたが、今回初めて年下を相手に迎えて敗れた。

 関は「まさかここまで来られるとは思わなかった。結果も内容も、実力以上のものが出たと思う」と話した。(大出公二)

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