ふるさと納税に「猫」のお返し めざすは「日本一、猫に優しい街」

山下周平
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 岐阜県飛驒市のふるさと納税の返礼品に、猫のデザインを施したラーメンや地酒など22点が加わった。猫の保護活動をしている東京都内の企業が飛驒市や市内事業者とタッグを組んだ。コロナ禍で苦しむ地元企業は猫グッズに目がない新規顧客の開拓につながればと期待を寄せる。

 先月19日に返礼品に加わったのは、川魚の甘露煮「ぼっか煮」や米、みそせんべい、鹿肉のジャーキーなど市内事業者8社の22点。これまでも販売されてきた商品だが、甘露煮は猫が魚をくわえているように見えるパッケージをつくり、米は猫の形をした袋に入れた。猫のデザインという新たな付加価値をつけることで、愛猫家の心をくすぐるねらいだ。

 このプロジェクトは猫カフェの運営などを通じて保護活動をしている「ネコリパブリック」(東京都)の活動の一環。同社は飛驒市のふるさと納税を活用して、市に寄せられた寄付金を原資に市内の社会問題を解決する新制度に応募し、今夏に活動を始めた。

 飛驒市を含め、去勢や不妊手術をせずに飼いきれなくなる「多頭飼育崩壊」や野良猫の殺処分など猫をめぐる社会問題は全国各地で起きている。同社は将来的に、移動型の保護猫専門の病院をつくったり、火葬事業を始めたりして、飛驒市を「日本一、猫に優しい街」にすることをめざしている。

 猫デザインの商品開発は今夏に始めた。大垣市出身で同社代表の河瀬麻花(あさか)さん(47)は「猫好きにはたまらないかわいい商品ばかり。パッケージから入ってもらい、商品の良さを知ってほしい」と話す。

 プロジェクトに参加するネット通販「ヒダカラ」の共同代表、舩坂香菜子さん(34)は「米などは味が良いけど、なかなか付加価値を高めるのが難しかった。猫のデザインを施すことで新たな顧客開拓につながる」と期待する。

 寄付はふるさと納税のサイト(https://www.furusato-tax.jp/feature/detail/21217/10788?city-product_original別ウインドウで開きます)から。(山下周平)

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