「あの時を思い出す」小川淳也氏陣営の熱気、記者も感じた 香川1区
「かつて経験したことのない熱意を皆さんから感じた。選挙が終わることが寂しいと思ったのは初めてだ」
立憲民主党の小川淳也氏(50)は、衆院香川1区での当選から一夜明けた1日、12日間の戦いをこう振り返った。前デジタル相で自民党の平井卓也氏(63)に2万票近い差をつけた完勝だった。
「あの時を思い出す熱気だ」。選挙戦の終盤、小川氏の陣営幹部たちは次々に口にした。「あの時」とは、民主党に風が吹き、政権交代が起きた2009年の衆院選。小川氏は、このときも小選挙区で勝利した。「街中を本人が歩けば、相手から寄ってきてくれる」と、陣営は当時と同じ手ごたえを感じていた。
ただ、選挙結果を見れば、立憲への風はまったく吹いていなかった。ではなぜ、記者も選挙取材中に感じ続けたこの「熱気」が生まれたのだろうか。
小川氏は選挙戦で、「うそやごまかしのない政治を取り戻す」と政治変革を訴えた。自公政権の「1強政治」や新型コロナウイルス対応を批判。高齢化や社会保障などの「構造問題」に取り組むことも強調した。だがこれは、野党としては一般的な主張だった。
他の候補との違いは、支持政党を超えて、小川氏個人の人柄や振る舞いに好感を寄せた有権者が多かったことにあった。
なぜ君は前大臣に勝てたのか
街頭演説には今までほとんど見られなかったという高校生や小中学生らの姿があり、訴えに耳を傾け、写真を撮っていた。関東や中部、九州など全国各地から、小川氏に一目会うためだけに来県する人が後を絶たなかった。
小川氏は2019年、安倍政権時代の統計不正問題を国会で追及し、一躍脚光を浴びた。昨年には、政治活動を追ったドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」が公開され、話題となった。
映画では、永田町で「修行僧…
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- 【視点】
野次馬力を発揮して10月29日(金)~11月2日(火)まで香川1区に行ってきました。小川・平井・町川3氏の演説を見たのですが、現場で見たら小川候補への熱気が断トツでした。平井氏の演説は「デジタル」という言葉が多いときには数秒に一回入れられて
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