エチオピア全土に非常事態宣言 国民に身分証明の携帯を義務づけ

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デバーク〈エチオピア北部〉=遠藤雄司
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 エチオピア政府は2日、全土に6カ月間の非常事態宣言を発令した。昨年11月から政府軍と衝突しているティグライ人民解放戦線(TPLF)側の勢力が首都まで約400キロの要衝を制圧したと主張した直後の発令で、政府系メディアは宣言の目的を「テロ集団のTPLFによる残虐行為から民間人を守るため」としている。

 現地報道などによると、ゲディオン・ティモテオス司法長官は、非常事態宣言によってすべての国民に身分証明の携帯を義務づけ、テロ集団との関係が疑われる人物は逮捕状なしに拘束されると説明。治安部隊による任意の家宅捜索も実施され、登録されていない武器は押収されるとした。また、テロ集団を支援するような放送や出版を禁止するという。

 首都アディスアベバの当局は、市民に対して2日以内に所持している武器の登録をするよう要請。在エチオピア日本大使館によると、当局は市民が治安機関と連携して自警団を組織化して自衛することを認める方針だという。在エチオピア米国大使館は、国内にいる米国市民に対して出国の準備をするよう促した。

 アムハラ州北部デバークでは2日午後、政府側の兵士や同州の民兵ら数十人を乗せたトラック数十台が幹線道路を走行し、小銃を掲げた兵士らが荷台で軍歌を歌いながら気勢を上げていた。州の外出禁止令が出ている午後8時以降はバーやレストランが閉店して町は静まりかえり、幹線道路も閑散とした。

 政府軍とTPLFの戦闘は1…

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