水前寺成趣園の表参道鳥居が復活

屋代良樹
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 熊本地震で被害を受けた熊本市中央区の水前寺成趣園で2日、倒壊した表参道鳥居の再建工事が完了し、除幕式があった。園内では他の鳥居なども損傷したがすでに修復されており、これで同園の復興工事は終わったという。

 1910年に建立された表参道鳥居は熊本地震の揺れに耐えられず倒壊した。新しい鳥居は高さ約5・5メートル、幅約7メートルで、倒壊前より縮小したが、現在でも同園の鳥居の中で最も大きい。素材は西原村にある出水神社社有林で育てたヒノキ「南郷檜(なんごうひ)」が使われている。岩田徹宮司(73)によると、元の鳥居は石で作られていたが、再び災害に見舞われた際の安全性を優先して木材を選んだという。

 園を管理する出水神社によると、園内では社殿前鳥居と北参道鳥居も熊本地震で損傷したが、今年3月までに修復されたという。

 除幕式には神社と商店街の関係者ら約50人が参列。鳥居にかけられた幕につながる綱を全員で引いて除幕した。肥後細川家の第18代当主で元総理大臣の細川護熙さんが手がけた扁額(へんがく)も披露された。

 この日は晴天に恵まれ、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置の解除後最初の週末ということもあって、多くの一般客も集まり、鳥居をくぐっていた。岩田宮司は「地震から5年半がたち、やっとこの日を迎えられてひと安心した。鳥居は復興完成の象徴だ」と話した。(屋代良樹)

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