米軍が誤爆を認めて謝罪、賠償を検討 カブール、子供ら10人が犠牲

有料記事アフガニスタン情勢

ワシントン=高野遼
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 アフガニスタンの首都カブールで8月29日に米軍が実施した空爆について、米中央軍のマッケンジー司令官は17日、誤爆だったと認め、「空港に対する差し迫った脅威を防ぐための空爆だったが、間違いだった。心から謝罪する」と述べた。子供7人を含む民間人10人が犠牲になっており、遺族らに賠償金の支払いを検討しているという。

 マッケンジー氏の同日の会見によると、8月26日にカブールの国際空港で起きた爆破テロを受け、米軍は過激派組織「イスラム国」(IS)の支部組織による追加攻撃を警戒。その中で、「白いトヨタカローラ」が次の攻撃に使われるとの情報を入手し、IS関連の拠点とみた施設に29日朝、白のカローラが現れたことから追跡を開始した。

 8時間にわたる追跡の結果、車が立ち寄った先で爆発物が積み込まれたと判断。その後、車が空港から3キロまで近づいて空港への攻撃の恐れが高まったと判断し、空爆に踏み切った。車に乗っていたのは米国に拠点を置く慈善団体の現地職員ゼマリ・アフマディ氏で、IS支部組織とは何の関係もなく、勤務先から帰宅したところだったという。近くにいた子供たちも巻き添えになったとみられる。

 マッケンジー氏は「空爆の時…

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2021年9月18日19時2分 投稿
    【視点】

    米国は、ドローン攻撃で巻き添え犠牲となった市民に対し、常にこのような迅速さで謝罪や賠償を行ってきたわけではない。今回は、すでに批判の的になっているアフガニスタン撤退へのさらなる批判を避けるためにも、素早い対応が懸命だと判断されたのだろう。

    …続きを読む