中国がTPP加盟を正式に申請 関係者「交渉の道のりまだ遠い」

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北京=西山明宏
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 中国商務省は16日夜、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を正式に申請したと発表した。昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で、習近平(シーチンピン)国家主席が加盟の意向を表明していた。ただ加盟交渉が順調に進むかは見通せない。

 商務省は同日に加盟国のニュージーランドに正式な加盟申請書を送ったと明らかにした上で、加盟に向けた今後の手続きで両国は連絡を取り合うとした。今後TPPの加盟国が実際に中国と加盟の交渉を始めるかどうかを決めることになる。中国政府関係者は「交渉するのはこれからであって、道のりはまだ遠いと思っている」と話す。

 習氏は昨年11月、オンラインで出席したAPECの首脳会議で「TPPに加入することを積極的に考えている」と述べ、加盟する意向を表明した。米国がTPPから離脱する一方、中国は地域的包括的経済連携(RCEP)の署名にこぎつけた。さらにアジアで経済的な影響力を高めようと、次にTPPに狙いを定めたとみられる。

 ただ、今後加盟に向けた交渉…

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この記事を書いた人
西山明宏
経済部|自動車業界担当
専門・関心分野
中国経済、通商政策、民間企業
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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所教授)
    2021年9月17日11時34分 投稿
    【解説】

    中国がTPPに関心を示すのは従来から判明していたことですが、実際にはデータの流通、国有企業、労働基準など越えられないハードルが多すぎて、現実的なものとは今の段階では考えられません。国内政治への改革の号令と考えれば悪い話ではないのかもしれませ

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    福田直之
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長=経済)
    2021年9月17日9時8分 投稿
    【視点】

    中国は米中対立のなか、アメリカが離脱した自由貿易協定(FTA)である「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」にあえて入ると表明することを、自国の開放性を世界に訴える宣伝として、そして「世界貿易機関(WTO)

    …続きを読む