「天才」矢野顕子が自分の才能にがっかりする時 新作は「辞世の句」

有料記事

定塚遼
[PR]

 「天才」が枕詞(まくらことば)になった人間も、自らの才能を疑うことがあるらしい。矢野顕子は「自分の才能にがっかりすることばかり」と語る。

 「辞世の句」――。そんな強烈な表現とともに、矢野顕子(あきこ)は8月25日発売のアルバム「音楽はおくりもの」を世に送り出した。引退を示唆するものではないが、「これが最後のレコードになっても、全然構わない、という意味です」と語る。

 小学生の頃、将来について作文に書いた。「何らかの形でピアノを弾いていると思います」

 半世紀の時を経ても、少女だった矢野が予見した通りの姿がある。

記事後半では、つい自分の才能を疑ってしまうこともある矢野さんが得た、他人と比べないための世界の見方についてや、たとえ誰からも支持されなくなっても残るもの、そして音楽という芸術や新作について語ります。

「私も少しは、ましな人間になったのかしら」

 「ここをもうちょっとこうす…

この記事は有料記事です。残り1075文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
定塚遼
文化部|企画など
専門・関心分野
音楽など文化全般。生きづらい人を減らす取り組み