小6女児自殺、いじめ訴える遺書 配布タブレット端末に悪口か

前川浩之
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 東京都町田市で昨年11月、市立小学校に通う6年生の女子児童(当時12)が同級生からいじめを受けたという内容の遺書を残して自殺していたことが分かった。児童の両親と代理人弁護士らが13日、文部科学省で記者会見して公表した。町田市教育委員会はいじめ防止対策推進法の「重大事態」にあたるとして、調査している。

 両親らによると、小学校に1人1台配られたタブレット端末のチャット機能を使って「うざい」「きもい」などの悪口が書き込まれていたという。「端末がいじめの温床につながった」として同日、端末の配備を進める文科省に、端末を使用する学校でのいじめ防止対策の再点検と徹底を要望した。

 両親や代理人弁護士らの説明によると、遺書には複数の同級生の氏名といじめの内容が書かれていた。両親がクラスの友人や保護者らに話を聞いたところ、タブレット端末で女子児童への悪口が書き込まれていたと、複数の証言を得たという。ほかにも、「(女子児童の)ころしかた」と書かれたノートの存在も明らかになり、現在学校で保管されているという。母親は会見で「(娘は)天真らんまんで明るく、亡くなるまでいじめに遭っていることは知らなかった」と話した。

 町田市教委によると、児童が通っていた小学校では昨年9月、「児童間でトラブルがあった」と把握し、経過観察をしていたという。市教委は今年2月に「重大事態」と認定し、3月にいじめ問題対策委員会をつくり、調査を始めたという。

     ◇

子どものための主な相談窓口

◆NPO法人チャイルドライン支援センターが運営するチャイルドライン(毎日午後4~9時)電話0120・99・7777

◆「24時間子供SOSダイヤル」電話0120・0・78310

いのちの電話フリーダイヤル(毎日午後4~9時)電話0120・783・556

◆児童相談所虐待対応ダイヤル(24時間)電話189

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この記事を書いた人
前川浩之
さいたま総局次長
専門・関心分野
平和、共生社会、農林水産業
  • commentatorHeader
    今村久美
    (認定NPO法人カタリバ 代表理事)
    2021年9月14日8時43分 投稿
    【視点】

    この記事からは無駄な煽りは感じませんが、他社のメディアによっては、まるで学校配布端末がいじめの原因になるかのように読み取れる報道も見られます。 いじめは、情報端末があるから起きるのではありません。もともとあったいじめが、端末も利用されて行

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  • commentatorHeader
    宮坂麻子
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2021年9月14日15時57分 投稿
    【視点】

     いじめにつながりかねない。だから、端末は教師の目の前でしか使わせず、使用制限もより強化する。今回のような事件をきっかけに、学校現場が端末の使用範囲をどんどん狭める流れになることを懸念します。それは、学校の端末では起きない、先生の目の前では

    …続きを読む