第4回岐路に立つタリバン、日本はどう向き合うか「自らの背中を見せる」

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聞き手・小野甲太郎
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上智大学教授の東大作さん 【連載】アフガニスタンを思う④

 アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが権力を握りました。女性の権利は認められるのか、テロの温床にならないのか、多民族が共生できるのか。各国の懸念に、タリバンはどう向き合うのでしょうか。

【連載】「アフガニスタンを思う」の初回はこちら

イスラム主義勢力タリバンが政権を握り、混乱が続くアフガニスタンにゆかりのあるジャーナリストや有識者らに思いなどを取材する連載です。4回目では、平和構築の専門家で、カブールに滞在し現地の人たちとふれあった上智大の東大作教授に、タリバン政権の統治の課題や日本や国際社会の役割について聞きます。

 国際社会はタリバンとどう接すればいいのでしょうか。平和構築の専門家で、2009年末から1年間、国連政務官としてカブールに滞在した経験もある上智大学教授の東大作さん(52)は、日本が果たせる役割は大きいと言います。

 ――アフガニスタンの現状をどう見ていますか。

 「米軍撤収後、悲惨な内戦が起こることを懸念していましたが、アフガニスタン人自身がそれを自ら回避しました。もうアフガニスタン人同士で血みどろの戦争をしたくないという非常に切実な思いだったと思います」

――女性の権利は守られるのでしょうか。

 「1996~2001年の旧政権下で、タリバンは10歳以上の女性の教育や就労を認めませんでした。ただ、結婚したら女性に仕事をしてほしくないというアフガニスタン人の男性は多い。国連職員の男性であってもです」

 「サウジアラビアなど他の中東の国々でも、男女別学の学校がほとんどです。ただ、女性の教育と就労を禁止している国はありません。タリバンが、女性の教育と就労をまた禁止したら、中東諸国も承認しづらくなり、孤立化する可能性が高いと思います」

――タリバンはそういった中東諸国の方を向いているのですか。

 「タリバンは『民主主義体制にはしない』といっています。サウジ、アラブ首長国連邦カタールなど中東のスンニ派の国々と近い感じで統治していこうと考えていると思います。表現の自由や集会の自由、報道の自由に制限がかかる可能性が高いでしょう」

 「同様の体制の中国やロシア、中東諸国は一定の安定や統治、テロの抑え込みはできている。タリバンはそれにならおうとし、人権活動家やメディアは自由に活動できなくなるかもしれません。短期的に国際的な批判を浴びるでしょうが、欧米や日本はそういった警察国家ともつきあっています。タリバンだけはダメだという理屈で通すのか問われます」

――国際テロ組織の温床となる懸念もあります。

 「米国が攻め込んだのは人権…

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