煩悩って消せる? 宮沢賢治を目指す僧侶、稲田ズイキさんに聞く
髪形はモテ路線を意識するし、煩悩もある。僧侶だけど――。そんな稲田ズイキさん(29)は、全国の若手僧侶でつくるフリーペーパー「フリースタイルな僧侶たち」(フリスタ)の3代目編集長だ。稲田さんに聞きたかった。次世代の僧侶はいま、どんなことを考えていますか。
――若い世代として、僧侶になるのはどんな気持ちでしたか。
「もともと『お坊さんになるのは嫌だな』と思っていました。住職である祖父や父がお経を唱える姿から、不気味で怖いイメージがありましたし、丸坊主にしないといけないとも思っていました。心の支えだったアニメの脚本家になりたいという夢もありました。修行を終えた後、『このまま住職になって田舎でずっと暮らしていくのか』と喪失感に襲われました」
「そんな時、『こんなのがあるぞ』と父が渡してくれたのが、フリスタでした。当時の特集テーマは『アナログレコードとお葬式』。クリエーティブのかけらもない職業だと思っていたので、『僧侶がおもしろいことをしてもいいんだ』と気づかされました」
――稲田さんが昨年、編集長についたフリスタは創刊13年目。昨年12月に発行された最新号の特集テーマは「本気で地獄」です。これまでとは違って僧侶はほとんど登場せず、イラストレーターのみうらじゅんさんへのインタビューや、読者から集めた「地獄」のようなエピソードが盛りだくさんで、普遍性を感じました。新しい編集長として、どんなことを意識していますか。
稲田さんは様々な媒体で発信を続けています。記事後半では、仏教の考え方や煩悩についても伺います
「新しいフリスタは、仏教を…
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