伊藤穣一氏の起用見送りへ デジタル庁事務方トップ
来月発足するデジタル庁の事務方トップとなる「デジタル監」について、政府は米・マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボ元所長の伊藤穣一(じょういち)氏(55)の起用を見送る方針を固めた。少女への性的虐待などの罪で起訴された米資産家から資金提供を受けていたことをめぐり、人事に疑問の声が上がっていた。
デジタル監は事務次官級の特別職で、政府はいったんは伊藤氏で最終調整に入っていた。今月上旬に起用の方針が表面化すると、ネット上を中心に疑問視する意見が相次いだ。新たにできるデジタル庁の注目人事だけに、政府はこうした意見を踏まえ、見直しせざるを得なかったようだ。
伊藤氏はIT企業「デジタルガレージ」の共同創業者で、ソニーや米紙ニューヨーク・タイムズの取締役を歴任した。ベンチャーキャピタリストとして知られ、MITメディアラボの所長に2011年に日本人として初めて就任した。
少女への性的虐待などの罪で起訴された米資産家のジェフリー・エプスタイン氏(19年に自殺)から、資金援助を受けていた問題が発覚した。資金援助について匿名で処理するよう同僚に依頼していたとの疑惑も浮上し、伊藤氏は所長を19年に辞任した。
伊藤氏の起用が白紙になったことで、政府は改めて候補者探しを迫られる。デジタル庁が発足する9月1日まで時間がないことから、デジタル監が空席となることも考えられる…
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