イラン大統領に保守強硬派のライシ師 外交方針に変更も

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テヘラン=飯島健太
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 18日に投票されたイラン大統領選で、内務省は19日、イスラム法学者で保守強硬派のエブラヒム・ライシ司法長官(60)が得票率62%の約1792万票で初当選したと発表した。2期8年続いた保守穏健派のロハニ政権は米国に対して融和的だったが、ライシ師の新政権では外交方針が大きく転換する可能性がある。

 ライシ師は19日、司法府でロハニ大統領と会談。その後の記者会見で「国民のための政権として最大限の努力をする」と述べた。双方は円滑な政権の移行に向けた協力で同意した。

 内務省によると、投票率は48・8%。1979年に革命体制が始まって以降、過去最低だった1993年6月の50・3%を下回った。無効票は約372万票(12・9%)で次点の候補者より多かった。

 低投票率を招いた要因は、ライシ師に対抗できる有力な候補者が不在だったことにある。最高指導者ハメネイ師の強い影響下にある護憲評議会の事前審査により、ロハニ師に近い穏健派や、自由の拡大を志向する改革派の有力者は失格となり、選挙戦は最後まで盛り上がりに欠けた。

 保守強硬派に勢いを与えたのは米国のトランプ前大統領だ。米国は2018年にイランや英仏独中ロとの核合意から離脱し、対イラン制裁を再開した。イランは通貨の暴落や物価の高騰に直面。強硬派が市民の不満の受け皿となった。

 選挙戦で、ライシ師は司法長…

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この記事を書いた人
飯島健太
西部報道センター
専門・関心分野
イランを中心とした中東政治、国際政治、核問題、事件、災害