20年度はコロナ禍で赤字 鳥取の智頭急行と若桜鉄道

石川和彦
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 鳥取県東部を走り、沿線の自治体などが出資する第三セクター智頭急行若桜鉄道が相次いで定時株主総会を開いて2020年度の営業報告をし、決算の承認を受けた。両社とも新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、収益が悪化。智頭急行は97年度以来23年ぶり、若桜鉄道は14年度以来6年ぶりに赤字となった。

 智頭急行(兵庫県・上郡―智頭駅、約56キロ)の総会は11日に智頭町の本社であった。事業報告などによると、20年度の乗客数は前年度比54・1%減の51万4963人で、運行期間が4カ月足らずだった開業年度の94年度を除き最少となった。県内と京阪神を結ぶ特急のスーパーはくとは同63・5%減の21万8665人、県内と岡山を結ぶスーパーいなばが同62・9%減の9万2660人だった。

 乗客の大幅減による旅客運輸収入の減少が響き、営業収益は前年度比31%減の19億769万円。修繕費の削減などで営業費用を抑えたが、経常損益は前年度の2億1864万円の黒字から3億5612万円の赤字となった。同社によると、積立金や預金があり、資金ショートを起こすことはないという。

 若桜鉄道(若桜―郡家駅、約19キロ)の総会は14日、八頭町役場であった。同社によると、全乗客数は前年度比3%増の36万5721人。通学旅客が同17%増えたが、通勤旅客は同13%減、観光客など普通旅客は同19%減だった。この結果、旅客収入は同6%減の4566万円となった。当期(20年度)損益は前年度の約9万円の黒字から249万円の赤字になった。(石川和彦)

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