鉄道社員5人の基金運用、遠い利回り7% 低金利の果て

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筒井竜平
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 業績低迷にあえぐJR四国高松市)。長年の鉄道利用者の落ち込みに加え、コロナ禍も追い打ちをかけている。ただ、30年以上前に同社が発足したときから本業の赤字は織り込み済みだった。厳しい経営から抜け出せない背景には、赤字を穴埋めするはずだった基金運用の見通しの甘さがある。筒井竜平

 同社は1987(昭和62)年に旧国鉄の分割民営化で発足した。それから約30年間、本業のもうけを示す営業損益(単体)がずっと100億円前後の赤字だ。コロナ禍の影響を受けた20年度はさらに悪化し、過去最大となる226億円の赤字となった。地盤の四国は人口が減り、高速道路の整備で車の利用が加速。鉄道利用は減少の一途をたどっている。

 国は赤字を穴埋めする原資として、発足時に2082億円を「経営安定基金」として交付。運用で利益を捻出する計画を立てた。だが長引く低金利の影響で想定の運用益に届かず、誤算の状態となっている。

「金利ゼロ、誰も想像しなかった」

 当時の基金額の算出根拠は以下の内容だ。

 87年度の本業収支見込みは…

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