ワクチン「打ち手不足」は本当? 看護師、薬剤師の今 

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姫野直行
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 新型コロナウイルスワクチンの高齢者向けの接種が始まって2カ月。「打ち手不足」が問題視され、政府は医師や看護師以外にも打ち手を広げた。だが、高齢者が最も多い東京都では、打ち手である看護師が余る。資格ごとの専門性をより生かし、接種を進める段階に入っている。

 「市のコロナワクチン集団接種バイト、全枠落選したんですけど」「ワクチンの打ち手のバイト落ちたー、人が殺到しすぎて抽選だったらしい」。5月、インターネット上にこんな投稿が載った。打ち手として名乗りを上げた看護師らとみられる。

 東京都看護協会によると、資格は持つが現場を離れている「潜在看護師」などに仕事を紹介するナースバンクには、5月だけでワクチン接種などコロナ関連の業務への従事を希望する348人が登録していた。だが、実際に打ち手となったのは、都が行う集団接種会場や離島での接種など約50人にとどまったという。同協会は潜在看護師向けの筋肉注射の講習を行い、すでに500人以上が受講している。

 山元恵子会長は、「高齢者以…

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    岡本峰子
    (朝日新聞パブリックエディター)
    2021年6月11日13時40分 投稿
    【視点】

    潜在看護師の間で話題になっていたのは「130万円の壁」。年収がこれを超えると通常、配偶者の扶養から外れて社会保険料の負担が生じるからです。今月4日、厚労省はワクチン接種で得た医療職の収入は例外扱いにするという通知を出しました。安心して接種業

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