臨海鉄道の装備品を寄贈 県立博物館に
松村北斗
3月に約半世紀にわたる事業を終えた秋田臨海鉄道(志水仁社長)は3日、ラストランを走ったディーゼル機関車に付けられていた「惜別」と書いたヘッドマークをはじめ、部品や備品計50点を秋田市の秋田県立博物館(今川拡(ひろむ)館長)に寄贈した。
同社は事業の整理を進めているが、長きにわたって使われた車番や社章のプレート、時刻表のほか、信号設備がなかった同鉄道で運行の「通行手形」として用いていたスタフと呼ばれる備品など、多くの部品や備品が保管されている。
こうした部品が散逸したり、収蔵目的でファンが購入することで多くの人の目に触れることがなくなったりすることを避けたいと、博物館への寄贈を決めた。志水社長は、寄贈品が「何十年後でも、秋田臨海鉄道があったという記憶を呼び起こすきっかけになれば」と語った。
今川館長は「大切に保管したい。ただちに展示する予定はないが、いずれ機会を設けられるよう検討したい」と話している。
同社は1970年に県、国鉄、関係企業が設立し、JR貨物と連携して秋田港周辺の事業所の貨物を運んできた。72年度の67万トンをピークに扱い量が減り、3月末に事業を終えた。ラストランを走った機関車も岐阜県の西濃鉄道に売却が決まっている。
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