無人駅で車いすを使ったら JR九州を訴えた原告ら検証
JR九州が駅を無人化したことで、移動の自由を制限されて苦痛を受けたとして、車いすを利用する大分市内の3人がJR九州に損害賠償を求めた訴訟で、原告側が4月28日、列車利用にどんな不便を感じるかを実地で検証した。重度の障害がある社会福祉法人理事の吉田春美さん(67)と弁護士、ヘルパー、支援者2人の計5人が参加した。
吉田さんは26日にJRへ介助予約をした。28日は駅員とヘルパーの助けで大分駅から午後0時33分発の列車で、無人駅の豊肥線・大分大学前駅へ向かった。
到着駅で待機していたJR職員の介助を受け、午後1時10分に同駅を出て知人と再会。帰りの列車は午後1時52分、やはり無人駅の敷戸駅発。発車15分前に駅に着くようにしているというヘルパーが車いすを押し、小走りで駅へ。JR職員らの介助で乗車したが、ホームと列車の構造から、設置したスロープの傾斜がきつく、ヘルパーが体全体を使って車いすを押していた。
大分駅に戻った吉田さんは「頭の中で時間のことばかり考えている」。当日に時間を変更したくても変えづらい実態を訴えた。ヘルパーの女性も「できれば、もう一人にも会いたかったが、急に変更したら列車に乗れなくなるかもしれないので諦めた」と語った。
実地検証の様子は、弁護士が動画に記録。大分地裁に提出する準備書面に反映させるという。
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