新型コロナウイルスの東京都内での感染者数が、ゴールデンウィーク(GW)後に再び跳ね上がる懸念を都関係者が募らせている。感染拡大の予兆をつかむ指標の一つ「発熱相談件数」や陽性率の上昇が止まらないからだ。こうした状況は感染が急拡大した昨年末の状況と似ているうえ、感染力の強い変異株の広がりも懸念材料となっている。

 「強力な変異株の感染拡大を抑えこむには人流の抑制、感染防止対策のさらなる徹底が必要」

 6日に開かれた都のモニタリング会議で、小池百合子知事はそう訴えた。

 都の6日の新規感染者数は591人。同日までの週平均は736人と、前週の94・2%に減少した。だが、GW中の休診による検査件数の減少や検査結果の報告遅れが影響しているとみられ、「感染者が減ったと受け取るには注意が必要」というのが都の見方だ。

 今後の感染状況はこのまま減少に転じるのか、それとも再び増加するのか。小池知事が懸念材料の一つとしてあげるのが、コロナの感染が疑われる患者らから都の相談センターに寄せられた「発熱相談件数」の増加だ。

 前回の緊急事態宣言が解除された3月下旬は756~1170件だったが、5月に入って連日2千件を突破。週平均件数でも5日時点で2079件と、昨年12月31日以来の2千件超になった。この7日後の1月7日に感染者数が2500人超まで跳ね上がり、発熱相談件数は感染急拡大の前兆の目安とされる。

 GW中の休診で都への相談が増えているともみられるが、都の担当者は「GW明けの件数を注意深く見ていきたい」と警戒する。

感染者の7割近くが変異株

 市中感染の広がりを示す検査の…

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