虚構の身体求めて 渡辺守章さんを悼む 演出家・宮城聰
聞き手 編集委員・藤谷浩二
11日に88歳で亡くなった東京大名誉教授の渡辺守章さんはフランス演劇を中心にした幅広い研究や翻訳で知られ、演出家としても活躍した。教え子として長年親交のあった演出家で静岡県舞台芸術センター(SPAC)芸術総監督の宮城聰さんが故人を悼んだ。
1980年ごろ、東京大駒場キャンパス(教養学部)で渡辺守章先生が初めて開いた演劇ゼミを受講したのが出会いでした。同世代に映画の蓮實重彦先生や比較文学の芳賀徹先生ら、仕事量も幅広さも途方もない「モンスター学者」がそろい、みなさんが気鋭だった時期です。
『虚構の身体』という大著を出されていた先生からまず教わったのは、身体性の概念でした。
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