当直のたび、施設職員の部屋で 10歳まで続いた性暴力
編集委員・大久保真紀
一枚の写真がある。
4歳の夏。水色のテントの中でめがねをかけた男性のひざの上に乗り、不安げで不機嫌そうな顔をカメラに向けている。
「自分がやられたことの一つの証明として、持ち続けている。このテントの中でもやられた」
関東地方の児童養護施設で育った男性(33)は、施設にいたころの写真が入ったアルバムを保管する。
幼い自分と一緒に写っているのは、自分を担当していた施設の職員。夏休みなど長期の休みに、帰る家がない子どもは職員宅に泊まりに行くなどしていた。写真は、海に遊びに行ったときのものだ。
この職員はやさしかった。施設のほかの子どもたちにも人気があった。
子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」第4部は、地位・関係性を利用した性暴力について取り上げます。
記憶にあるのは4歳ぐらいか…
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