小3から認知症の祖父母ケア「しんどいと言えなかった」

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畑山敦子 久永隆一
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 中高生の20人に1人が、大人の代わりに家事や介護といった家族の世話を担っているとみられる調査結果を厚生労働省がまとめた。そんな「ヤングケアラー」の経験者の体験談からは、だれにも相談できず、支援もないまま孤立していく姿が浮き彫りになっている。

 京都市の女性(22)は子どものころから何度も、家族のケアに追われてきた。

 小学3年の頃、同居していた祖父が認知症になり、見守りや薬の管理をするようになった。祖父はまもなく亡くなったが、70代の祖母に認知症の症状が出始めた。共働きの両親が不在の間、見守るようになった。「最初はお手伝いの延長のつもりだった」

 症状が進行し、夜中に食べ物を勝手に食べてしまう祖母をなだめる日々。寝不足で朝、起きられなくなった。学校を休み、祖母を介護した。話し相手になり、昼食を準備して一緒に食べた。失禁の後始末をすることもあった。

祖父が亡くなったあと…父と母には持病が

 祖母は家にヘルパーが入ったり、デイサービスに通ったりするのを嫌がり、家族は介護サービスの利用をあきらめていたという。父は仕事の忙しさから介護にかかわろうとせず、パートで働く母に家事や介護が集中しがちだった。「母が倒れないか心配で、おばあちゃんのことは私がやればいいと思った」という。

 月に1、2回は登校したが…

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