国産ワクチンなぜ出遅れ? 過去にもあった「ギャップ」
江口英佑 瀬川茂子 野口憲太 編集委員・田村建二
新型コロナウイルスに対するワクチンの高齢者への接種が12日、始まる。使われるのは海外製で、日本メーカーも開発に着手はしているものの、実用化のめどはたっていない。国産ワクチンは、なぜここまで出遅れてしまったのか。
大阪府の創薬ベンチャー、アンジェスは昨年6月、国内で最初に新型コロナワクチンの治験を始め、500人が参加した第2段階までの結果を解析中だ。予定している最終段階の数万人規模の治験を終える時期はわからない。当初は今春の実用化も期待されていたが、予定より遅れている。
同社の創業者、森下竜一・大阪大寄付講座教授は「感染症でのワクチン開発の経験がなく、データを積み重ねるのに時間がかかった。海外では政府の援助で新しいタイプのワクチンの基本技術ができており、その差は大きい」という。
高齢者に今回接種される予定…
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