消えた方向幕、割られた客車窓 大井川鉄道「返して」

阿久沢悦子
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 大井川鉄道が千頭駅(静岡県川根本町)に止めている12系客車から、昨年末から今年にかけて、スイッチや方向幕などの部品が2度にわたって盗まれた。貴重な部品の盗難に、同鉄道は「速やかに返してほしい」と呼びかけている。

 12系客車は山口県の新山口と島根県津和野を結ぶSLやまぐち号に牽引(けんいん)されていた車両。大正風、明治風、昭和風、欧風、展望車風の5両連結で、車両ごとに内装が異なる。SLの動態保存を続けている縁で、大井川鉄道が2018年2月に、JR西日本から譲り受けた。

 最初に盗難があったのは昨年12月1日。駅員が駅構内に止めてあった客車の窓ガラスが割られていることに気づいた。客車の扉を開閉する車掌席のスイッチや非常用ブザー、行き先表示が書かれたロール状の方向幕がなくなっていた。

 今年2月16日には客車間の連結シートが刃物で切られ、別の方向幕とポスター掲示枠が盗まれた。

 大井川鉄道は島田署に盗難届を出し、同署が捜査を進めている。同社はオークションサイトなどもチェックしているが、見つかっていないという。(阿久沢悦子)

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