特急の先頭車両、運転席は原形とどめず 台湾、救助難航
台湾東部・花蓮県のトンネルで2日に起きた特急列車の脱線事故は、連休初日で列車が混雑していたこともあり、多くの犠牲者が出た。
現場は海に面して切り立った山が連なる険しい地形だ。記者が線路から10メートルほど離れた高台を通る砂利道から現場を見下ろすと、線路上に「台東行き」と行き先表示がされた事故車両の姿が確認できた。現場は黄色い規制線が張られており、陸軍の男性兵士が立ち入りを規制する中で、サーチライトを持った救助隊員が列車の下に潜り込んだり車両に入ったりしていた。
砂利道は高さ10メートルほどで、幅5メートルほどにわたって木がなぎ倒されていた。現場近くで別のトンネル工事をしていた男性作業員によると、ここから工事用車両が転落し、通過中の列車の中ほどに衝突したという。
現場に駆けつけた台北在住の男性銀行員(55)は、友人3人と列車で花蓮に向かっていた大学2年の息子(20)と連絡が取れないという。男性は「息子が心配で仕方がない。病院でも消息がわからず、困っている」と不安そうに話した。
台湾紙、中国時報などによると、トンネル内にある先頭車両は半分が削り取られたように大破し、運転席もほとんど原形をとどめていなかった。救助隊が車両に取り残された人々に「ここから出られるぞ」などと呼びかけ続けるなど、救出現場は緊迫した。
台湾のテレビ局TVBSによ…
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