絵馬の後ろから400年前の絵馬 清水寺、思わぬ発見
世界遺産の京都・清水寺で、大きな絵馬が見つかった。400年ほど前に奉納されたものという。多くの参拝客が訪れる国宝の本堂の、意外な場所に隠されていた。2月末まで続いた大がかりな修復工事のおかげで発見に至ったといい、「思わぬ発見」と寺側は喜んでいる。
見つかった絵馬は木製で、縦約60センチ、横約80センチ。男性2人が馬の両脇に立って馬の口取りをする「牽馬図(ひきうまず)」が鮮明に描かれ、「寛永拾年三月吉日」との文字もあった。作者は不明だ。
1629(寛永6)年の大火で焼失した本堂が、3代将軍・徳川家光によって再建されたのは33(寛永10)年。その9カ月前に奉納された絵馬だった。
大阪大の奥平俊六名誉教授(美術史)は「人物のすね毛など大胆に描かれており、江戸狩野(派)の狩野安信(1614~85)の表現に近い」とみている。
寺が所蔵する絵馬の中では、寛永の大火で残った絵馬などに次いで3番目に古い。最古の2点は、いずれも国指定の重要文化財。寺の坂井輝久学芸員(72)は、今回の絵馬について「金箔(きんぱく)が見事に残り、彩色も鮮やか。馬の表情も見て取れる」と話し、貴重な価値があるとみている。
発見場所は、本堂南側の壁に…
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