「長門ポッポ」今秋、70年ぶり帰郷へ 下関市豊田町
大正から昭和にかけ、現在の山口県下関市小月と同市豊田町を結んだ長門鉄道の蒸気機関車(SL)が今秋にも豊田町に約70年ぶりに戻ってくる。地元の有志らでつくる「長門ポッポを守る会」が移設費用を募り、豊田町の道の駅「蛍街道西ノ市」に展示する計画を進めている。
守る会によると、長門鉄道は下関市の小月駅と豊田町の西市駅の約18キロを結んだ私鉄。1918年から56年まで運行された。SLは平均時速20キロほどで走り、ゆったりとして愛らしい様子から「長門ポッポ」と呼ばれ、地元で親しまれていたという。
移設計画を進めているのは、15年に米国で製造されたSL。「長門鉄道101号」として開業当初から走っていた。老朽化から47年に別会社に売却され、宝塚ファミリーランド(兵庫県宝塚市)を経て、京都府与謝野町の加悦(かや)SL広場に展示されていた。
しかし、SL広場が2020年3月に閉園されることを知った下関市の有志が「長門ポッポを譲ってもらい、ふる里に戻そう」と、19年12月から動き出した。
広場を運営していた運送会社と交渉し、無償で譲ってもらう仮契約を昨秋結んだという。ただ、運搬や展示場所の工事などに650万円ほどかかると見積もっており、守る会は募金を呼びかけている。
移設後は、展示のほかにウォーキングやサイクリングの大会も企画し、地域活性化につなげたいという。守る会の北條秀一さん(71)は「長門鉄道がこの地を走っていたことを伝える格好の教材になる。次世代に語り継いでいきたい」と話している。
募金の問い合わせは守る会にメール(nagatopoppo@gmail.com)で。
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