紙の約束手形、2026年をめどに廃止へ 経産省が方針

新宅あゆみ 笠井哲也
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 経済産業省は19日、企業間の支払いに使う紙の約束手形について、2026年をめどにやめるように産業界へ呼びかける方針を示した。現金化に時間がかかり、支払いを受ける中小企業の資金繰りを圧迫する恐れがあるとして、有識者会議が検討してきた。今夏をめどに5年間の自主行動計画の策定を求める。

 現金振り込みや電子手形への移行を呼びかける。全国銀行協会は電子手形の使い勝手改善に取り組む。仲介インフラ「でんさいネット」は現在、決済完了までの期間が最短で7営業日だが、22年度中に3営業日まで縮める。1万円超しか扱えなかったしくみも見直し、1円から可能とする。

 紙の手形より割高だった料金は早期の値下げを考える。21年度は新規利用者に利用料の一部を現金で還元する方針。三毛兼承・全銀協会長(三菱UFJ銀行頭取)は18日の会見で「政府や産業界と緊密に連携し、手形の廃止を実現できると考えている」と話した。

 約束手形は明治時代に手形交換所が設けられて以来の商習慣。経産省の調査によると、支払いまでの期間は手形が平均約100日で、現金振り込みの約50日より長かった。紛失の恐れもある。(新宅あゆみ、笠井哲也)

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