盟友の口調に心折れた森氏 しゃがれ声で「セービング」
野村周平 前田大輔 斉藤佑介
「代えがきかない」と言われた東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が辞意を固めた。後任として、日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏に就任を要請した。五輪開幕まで半年を切ったタイミングでの元首相の退場。女性蔑視発言から1週間あまり、舞台裏で何があったのか。
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞意を固めた。3日の女性蔑視発言以降、心揺れた1週間で、決定打になったのは「盟友」からの言葉だった。
謝罪で幕引きするはずだった4日の記者会見で質問をたたみかけられ、「おもしろおかしくしたいから、聞いているんだろ」といら立った森会長への批判は、日に日に厳しくなった。
森会長は毎朝欠かさず新聞各紙をチェックし、夜はテレビのニュース番組を見て就寝するのが日課だった。報道に意気消沈し、家から外に出られない日々に、家族からは「もう見ていられない」と辞任を勧められていた。それでも、最後までやり遂げずに投げ出すのは無責任、という思いは強く、組織委や与党の幹部らの引き留めに続投する意思を示していた。
8日夕。その思いは一気に瓦解(がかい)する。
森会長は東京・晴海の組織委…