コロナ変異種、英から入国した5人が感染 国内初確認

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 厚生労働省は25日、英国から到着した10歳未満から60代の男女5人が、新型コロナウイルスの変異種に感染していたことがわかったと発表した。国内で変異種の感染者が確認されたのは初めて。

 5人は18~21日に英国から羽田、関西両空港に到着。空港検疫で感染が確認され、採取した検体を国立感染症研究所で分析し、判明した。このうち、20日に羽田空港に到着した60代の男性に倦怠(けんたい)感の症状があり、4人は症状がなかった。現在は宿泊施設で療養している。他者への感染の可能性は低く、濃厚接触者もいないという。25日夜に会見した田村憲久厚労相は「国内で感染が拡大しないよう万全を期す」と述べた。

 国立感染症研究所によると、12日から21日までの空港検疫で感染がわかった68人分の検体を解析し、今回の5人の変異種感染を確認した。

 変異種は従来のものより最大7割感染力が強いとされる。会見した脇田隆字・感染研所長は「国内で(変異種の)感染が拡大しているわけでない。ただ、国内で拡大すると、現在の流行をさらに広げる可能性がある。病原性やワクチンの有効性にはわからない点があり、今後、ウイルスの分析をしっかりやっていく必要がある。現段階では国内に入れない対策が重要になる」と話した。

 英国政府が今月中旬に変異種の確認を公表したことを受け、日本政府は24日以降、中長期の滞在者を主とする新規入国受け入れと日本人出張者らの帰国後2週間待機免除の対象から、英国を除外。短期の海外出張から戻る日本人らについて、帰国後2週間の待機に加え、英国を出る72時間前までに陰性を確認した証明書の提出などを求める措置をとっていた。

 厚労省によると、26日以降、水際対策を強化。英国と、別の変異種が見つかった南アフリカからの入国者には、空港の検査で陰性でも3日間宿泊施設で待機してもらう。その後の検査で陰性だった場合は入国後2週間経つまで自宅待機を求める。

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