DMV、線路で風切って 阿佐鉄初走行で動作確認 徳島

斉藤智子
【動画】阿佐鉄DMVが線路上を初走行=福家司撮影
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 徳島、高知両県にまたがる第三セクター阿佐海岸鉄道(本社・徳島県海陽町)は15日、線路と道路の両方を走るDMV(デュアル・モード・ビークル)の車両を海陽町内の阿佐東線で走らせ、動作確認をした。レール上の走行は、JR北海道が開発した試験車両で実施したことがあったが、阿佐鉄の営業車両では今回が初めて。

 動作確認は、性能試験に向けた準備のために行われた。まず、阿波海南駅(海陽町)に設置が完了したばかりの設備「モードインターチェンジ」で、道路を走るバスモードから線路を走る鉄道モードへ切り替え。15秒ほどで、車体の前後に鉄輪が1ペアずつ下りてレールに接地し、前のゴムタイヤが浮かび上がった。

 レール上では、後ろのゴムタイヤ、2ペアの鉄輪の計6輪で走行する。この日は阿波海南駅から約1・2キロ区間を時速30キロ程度でゆっくり走行し、制御機能が正常に作動することなどを確認した。

 阿佐東線は現在、DMVへの切り替え工事のため、バスによる代行輸送をしている。線路の基礎工事は年内をめどに終わる予定で、性能試験と習熟訓練を経て、今年度中の運行開始を目指す。

 井原豊喜専務は「加速度を味わうと遊園地のアトラクションに乗っているような気分。DMVを成功させるためには、満足いただける準備ができるかにかかっていると思うので、気合が入る」と話した。

 DMVが鉄道モードで走行する区間は、阿波海南駅から甲浦駅(高知県東洋町)にかけての10キロ。土日祝日には、室戸岬(同県室戸市)などの観光地にもバスモードで直結する。(斉藤智子)

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