対局室に解説音声が… 囲碁新人王戦、勝敗には影響せず

大出公二
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 囲碁のプロ公式戦、第45期新人王戦の決勝戦で16日夕、棋戦の進行をユーチューブで生中継するプロ棋士の実況解説が対局室に流れ、11分にわたり対局が中断するトラブルが起きた。対局室に設置したカメラの集音マイクの音量を上げようとしたところ、誤ってスタジオの音声を対局室に送るスピーカーの音量を上げてしまったという。

 大阪・北浜の関西棋院で打たれた新人王戦決勝三番勝負第3局、佐田篤史七段(24)―関航太郎三段(18)戦。勝ったほうが優勝する大一番は、対局室にカメラを設置し、日本棋院のユーチューブ公式チャンネルで生中継していた。

 関西棋院によると、午後4時12分、対局室のカメラのスピーカーからプロ棋士が解説する声が漏れ出した。同20分、異変を知った棋院関係者がカメラの電源を切り、対局を中断。棋戦関係者や両対局者が対局を続行するかどうか協議し、同31分に合意のうえで対局を再開したという。対局は関三段が勝利。関係者によると、トラブルは勝敗に影響しなかったという。

 対局室のカメラは、対局を実況中継する東京・市ケ谷の日本棋院のスタジオからインターネットで遠隔操作しており、担当者が誤ってスタジオの声を送るスピーカーの音量を上げてしまった。このため、スタジオのすぐそばで対局を解説していたプロ棋士の声も、対局室に漏れてしまったという。日本棋院は「関係者に深くおわびするとともに再発防止に努めます」とのコメントを出した。(大出公二)

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