鬼滅の刃、時刻表並み上映数 座席の間引きやめる館も

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滝沢文那 原田悠自 佐藤美鈴

 アニメ映画「劇場版『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』無限列車編」(外崎春雄監督)の上映回数の多さが、SNSなどで話題になっている。公開初日の16日は、一部の映画館で1日40回を超える勢いで、早朝から多くのファンが駆けつけた。

 11スクリーンで深夜を含め計42回上映されるTOHOシネマズ新宿では、午前6時の開館前から約100人が集まった。開館して間もなく、館内の限定グッズ売り場には長蛇の列ができ、混雑緩和のため、入場制限を設けて従業員が順番に案内していた。

 千葉市若葉区から訪れた会社員櫻井明さん(32)は、この日最も早い午前7時からの上映を予約した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で時差出勤しており、「映画を2時間見てからでも余裕を持って出社できる」からだ。とはいえ、本音は「やっぱり、一番早く見たいじゃないですか」。上映までの間に限定グッズを買い、「生死と運命を描くという王道のストーリーと、多彩な能力や物語を持つ『鬼』などの真新しい世界観がたまらない」と魅力を語った。

 「(売り場の)列、やばいですね……」。そう驚いたのは、埼玉県所沢市の会社員、木村舞香さん(24)。仕事がある日中は予約できず、夜も希望する時間帯が予約で満席だったため「朝にたくさん上映してくれて助かった」。テレビアニメの放送が約1年前に終了し、「今日まで長かった。待ち焦がれた多くのファンのために、1日何十回も上映してくれるんだと思う」と笑顔を浮かべた。

 TOHOシネマズ新宿によると、この日は約8千人の観客を見込み、大半が「鬼滅の刃」の観客だという。ほかにも、各館の予約サイトなどによると、新宿バルト9で39回、中川コロナシネマワールド(名古屋市)で36回の上映が予定されている。SNSでは、上映回数の多さに驚きの声が上がり、上映スケジュールを見て「まるで電車やバスの時刻表」といった声もあった。

 「鬼滅の刃」の原作は、週刊…

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この記事を書いた人
滝沢文那
文化部|放送担当キャップ
専門・関心分野
放送・芸能、批評、思想、文学、演劇
佐藤美鈴
デジタル企画報道部|Re:Ron編集長
専門・関心分野
映画、文化、メディア、ジェンダー、テクノロジー