着陸するロケット、「価格破壊」は日本の論文のおかげ?

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石倉徹也
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 発射したロケットが再び基地に戻ってくる――。SF番組「サンダーバード」に登場するようなロケットを開発したのが、米国の宇宙ベンチャー「スペースX」だ。ロケットが、洋上の船に正確無比に着艦する映像はもはやおなじみになり、再使用により打ち上げ費用は安くなった。だが、その「価格破壊」が危ぶまれる「事件」が起きていたことは、あまり知られていない。

開発中にライバルに先手

 その事件が起きたのは、2009年6月。米ベンチャー「ブルーオリジン」が、機体を着陸させて再び飛ばす「再使用ロケット」に関する特許を出願したのだ。

 ブルーオリジンは、米アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が、スペースXとほぼ同時期の00年に立ち上げた。現在はどちらも再使用ロケットに成功しているが、当時はどちらも開発中の時期だった。商業化に向け、ライバルに対して先手を打った形だった。

 特許が成立すれば莫大なライ…

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