犬山城下、鎮座するエビフライ 天守の「事件」で発案 

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竹山栄太郎
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 丼の両脇に2本のエビフライがそびえ立ち、中央にみそかつと温泉卵がのる……。

 インパクト大の丼が、愛知県犬山市の老舗食堂「キリン亭」の看板メニューとなっている。「犬山しゃちほこ丼」(税込み1100円)。どういうことなのか、店を訪ねた。

 キリン亭は創業1927(昭和2)年。3代目の松山哲也さん(42)、敦子さん(42)夫妻が営む。喫茶店のような雰囲気で、テーブル席と座敷席がある。「味も空間も、お客さんに楽しんでもらえるお店をめざしています」と哲也さんは話す。

 しゃちほこ丼は見た目は豪快、ボリュームもあるが、味はやさしく食べやすい。エビフライはさくさくした衣が特徴で、タルタルソースをつけていただく。みそかつにかかった特製のみそだれは、甘すぎず、すっきりしている。温泉卵でまろやかさが加わる。

 風変わりなメニューが登場したきっかけは、犬山市のシンボル・犬山城をめぐる「事件」だった。

国宝の天守におきた「事件」

 犬山城は1537(天文6)年、織田信長の叔父・織田信康によって、木曽川沿いの小高い山の上に築かれた。江戸時代には尾張藩付家老の成瀬氏が城主を務め、昭和期に国宝に指定された。

 そんな犬山城で2017年7月、天守の一対のしゃちほこのうち、北側のものが落雷で壊れた。

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 すぐに修復が決まり、新しい…

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