バノン前大統領首席戦略官を逮捕 国境の壁めぐり詐欺か

ワシントン=園田耕司
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 米司法省は20日、メキシコとの国境の壁建設を訴える政治運動をめぐるオンラインでの資金集めで、献金者から多額の金をだまし取ったとして、トランプ政権の前大統領首席戦略官スティーブン・バノン容疑者ら4人を詐欺の疑いで逮捕したと発表した。

 バノン容疑者らはトランプ大統領の訴えるメキシコ国境の壁建設が米議会民主党の反対にあっていたことから、2018年12月に「我々は壁を建設する」というクラウドファンディングを通じて献金を募り、数十万人から2500万ドル(約26億円)以上を集めた。しかし、司法省によると、バノン容疑者らは「すべての献金を国境の壁建設に使う」という約束をしながら、実際には一部を私的に流用。バノン容疑者の関連団体は100万ドル(約1億円)以上を受け取っていたという。

 バノン容疑者は元々、極右のニュースサイト「ブライトバート」会長だったが、大統領選でトランプ陣営の最高責任者を務め、17年1月の政権発足と同時に新設の大統領首席戦略官に就任した。だが、政権内の確執から同年8月に解任。政権を去った後もトランプ氏を支持する立場から、メディアを通じ右派的な主張を積極的に展開している。(ワシントン=園田耕司

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