女子校のリアリティーと浮世離れが同居する 「女の園の星」(和山やま)

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松尾慈子
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漫画偏愛主義

 和山のデビューコミック「夢中さ、きみに。」は漫画界の話題をさらった。その端正な絵柄から、男子高生の青春の懊悩(おうのう)や深淵(しんえん)を鋭く描くのかと想像すれば、読んでみると、徹底してばかばかしい男子校での日常を描いており、読む側も何が何だか分からないままその不思議なペースにのみ込まれてしまう。手塚治虫文化賞短編賞を受賞し、次なる作品はどうでるのだろうと思っていたら、なんと、今度は舞台が女子校だった。しかも前作の生徒目線と違い、今回の主人公は先生だ。

 女子校で2年を担任する若い男性教員・星。生徒が学級日誌で展開している絵しりとりの意味を深読みし、漫画家志望の女子生徒には話作りで場当たり的なアドバイスを出す。女子生徒たちの圧倒的パワーに振り回されているようで、その実、星は基本的に冷静というか諦めの境地にあるようだ。

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 真面目なんだが、なんだかお…

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