「カーテン開けると死がすぐ隣に」木久扇さんが語る戦争

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金子和史

 落語家の故・桂歌丸さん、作家の瀬戸内寂聴さんら約30人の著名人の戦争体験を文章やイラスト、音声でたどる「『私の八月十五日』パネル展」がJR国立駅(東京都国立市)前の旧国立駅舎で開催中だ。7月27日には、落語家の林家木久扇さん(82)が会場を訪れ、自らの体験を語った。

 「人が死ぬことは、すぐそばにある。カーテンを開けるとすぐ隣に死があるということなんです」。木久扇さんは終戦時、7歳で国民学校に通っていた。

 当時、東京・日本橋にあった自宅が空襲で焼け、杉並区にあった親戚の家に身を寄せていた。毎晩のように空襲警報が鳴り、家族と防空壕(ごう)に避難する日々。大人たちからはトラックの荷台に、物のように遺体を積み込む様子を聞かされた。

 1945年8月15日の昼過ぎ。母と一緒に学校の校庭で、ラジオの玉音放送に耳を傾けたという。

 このパネル展では、国立市の出版社「今人舎」が発行する戦争体験者の証言集「私の八月十五日」に登場した著名人の体験を紹介している。木久扇さんも自らの体験を寄せており、終戦の日の様子について、太陽が照りつけ、大人たちが号泣し、「熱い熱い真夏の正午だった」と書き記している。

■歌丸さんも「大変だったね」…

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この記事を書いた人
金子和史
那覇総局
専門・関心分野
沖縄、平和、事件、司法