コロナがあらわにした人間の「本音」 映画で描く差別 

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藤えりか
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シネマニア経済リポート

 今や世界中に感染が拡大し、パンデミック(感染症の大流行)となった新型コロナウイルス。だが今年初めはまだ、中国・武漢を中心に流行する「アジアの感染症」との見方が根強かった。各地で中国系の住民に偏見の目が注がれ、彼らのビジネスにも大きな影響が出た。そんな状態に警鐘を鳴らそうと、イランからの移民というルーツを持つカナダの映画監督が、世界で初めてコロナを描いた映画を撮った。モスタファ・ケシュバリさん(34)。なぜ撮影に踏み切ったのか。ネット会議システムを通じてインタビューした。

 主に海外の映画から、私たちを取り巻く問題を経済の側面から読み解く「シネマニア経済リポート」。ハリウッドの取材経験が豊富な藤えりか記者が様々な映画や業界事情を紹介する記事を、随時配信します。

 1月上旬のある日、ケシュバリさんは地元のカナダ・バンクーバーで散歩に出た帰り道、手元のスマートフォンのニュースに目を留めた。「中国系が差別的な目に遭っている」

 カナダでは当時、新型コロナの感染者はまだ確認されず、「コロナをもたらすとしたら中国系」との見方が広がっていた。バンクーバーは日本人も含めてアジア系が多く、街にも溶け込んでいた。それでも「多くがアジア系を怖がり始め、彼らの飲食店に行かなくなった。ビジネスは打撃を受け、店などが閉まり始めた。アジア系を乗車拒否したタクシーも出た」。

 カナダの公共放送CBCによると、2月にかけて中国系の店が約3割減収になったという。カナダのグローバルニュースは、そうしたお店の減収幅が最大7割に達したとした。

 その後、ケシュバリさんの母国イランでも感染が増え、カナダでイラン系移民が嫌な目に遭った話も聞こえてきた。

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 カナダは一般には移民に優し…

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この記事を書いた人
藤えりか
朝デジ事業センター 戦略部次長|記者サロンなど
専門・関心分野
軍需企業の社会的費用と責任、戦争被害、働き方、SNS