女子マネに懇願「やめないで」 2人で戦ってきた3年間
(26日、東東京独自大会 東京農産11-10大山・蒲田・橘・六郷工科)
部員の足りない複数の学校が集う連合チーム。大山は蒲田、橘、六郷工科との4校で連合を組んだ。初戦突破が夢だった。
迎えた東京農産戦。六回までに計17四死球を与え、点差を広げられた。八回に同点満塁ランニング本塁打で追いついたが、ここまでだった。タイブレークの九回裏、1死満塁からサヨナラスクイズを決められた。
大山の福田喬広とマネジャー岩崎結亜菜の3年生2人はこの1年間、たった1人の選手、マネジャーとして部活を続けてきた。
1年生の秋だった。退部を考えていた岩崎に、福田は「やめないでくれ」と懇願した。岩崎は「そんな福田を支えたいと思ったんです」。ティー打撃では岩崎が球をトスし、素振りをチェックし、一緒に用具を片付け、グラウンドを整備した。2人とも3年間、1日も練習を休まなかった。
初戦突破の夢は、かなわなかった。涙を流してベンチに戻る福田を、やはり涙で記録員の岩崎が迎えた。
岩崎は3年間、頼られるマネジャーになることを目指していた。大会前、こんな思いをつづっていた。「理想のマネジャーになることができなかったので、(頼られる姿は)いつまでも理想とします」
でも、福田は岩崎を信じ、頼っていた。最後に福田がこんな言葉をかけた。「彼女がいなかったら、練習も何もできませんでした。どれだけ感謝しても、し尽くせません」
泣き崩れる岩崎に、福田がもう一度、感謝の言葉を伝えた。「ありがとう」=大田