第1回1日半で都の感染対策サイト 有志結んだオープンソース

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宮地ゆう グラフィック・福宮千秋
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シビックテック コロナに挑んだ3カ月①

 新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、注目を浴びたウェブサイトがある。東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」。開設から約4カ月で閲覧回数は約5千万。自治体のサイトとしては異例の多さだ。だが、注目されたのは、アクセス数だけではなかった。サイト開発の手法の新しさ。立ち上げまでわずか1日半という速さ。作ったのは、互いに会ったこともない、有志の集まりだった。

 はじまりは、2月26日にさかのぼる。

 安倍晋三首相が全国の小中高校などに一斉休校の要請をする前日、国内の感染者総数は877人になった。東京だけでなく北海道でも感染が広がり、「医療崩壊」という言葉が現実味を帯び始めていた。

 この日、都庁で新型コロナウイルス感染症対策本部の会議が開かれた。議題の一つが広報体制の強化だった。

 それまで都の新型コロナ関連サイトは、紙の情報をそのまま表示していた。これでは感染の推移や全体像を把握しにくく、外部の人がデータを使うこともできない。そこで新たな対策サイトを作ることになった。

 ヤフー出身の宮坂学副都知事の方針で、対策サイトの作成に「オープンソース」という手法を掲げた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で根底から生活が変わるなか、互いに知らず、年齢も職業も住む場所も違う人たちがネット上で協力し、自らの技術をコロナ対策に役立てようとする活動が広がった。ITを使い、社会課題を自ら解決していく活動「シビックテック」だ。共に取り組んだのは東京都と国レベルのプロジェクト。走り続けた彼らの3カ月を全10回で報告する。

 「どの自治体も課題は同じ…

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