日本参入ねらったIR業者、カジノ閉鎖で苦境 一部撤退

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金本有加 松田史朗 南日慶子
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 全国で誘致計画が進むカジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐり、日本への参入を狙う海外のIR事業者の業績が悪化している。新型コロナウイルスの感染予防で海外のカジノも閉鎖に追い込まれ、再開後も客足が遠のいているためだ。すでに日本参入をあきらめた事業者もおり、自治体が開業時期を延期するなど、日本版IRの先行きが不透明になっている。

 「事業者から少し時間を延ばしてほしいと連絡をもらった」。大阪市松井一郎市長は4日、2026年度末までとしていた大阪IRの全面開業が1~2年遅れるとの見通しを示した。もともと25年国際博覧会(大阪・関西万博)の前の開業を予定していたが、3月に断念。今回はそれに続く延期で、「事業者の経営が厳しい状況を考慮し、開業時期を見定める」という。

 実際、コロナの影響でカジノの閉鎖が相次ぎ、IR事業者は軒並み業績の悪化に見舞われている。

 大阪府・市の公募にオリックスと組んで唯一応じた米MGMリゾーツ・インターナショナルは、20年1~3月期の売上高が前年同期比29%減の23億ドル(約2506億円)に急落。利子や税金などを支払う前の利益も同61%減の2・9億ドル(約316億円)と、大幅な減収減益となった。4~6月期の業績も厳しい状況が続く見通しで、ビル・ホーンバックル暫定CEOは4月末の電話会見で「(大阪参入の)計画書の提出が年末に向けて後ろ倒しになる可能性はある」と語った。

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 IR事業者の財務に詳しい静…

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